5年目のローテ入りがはっきり見えた!

 阪神二神一人投手(26)が2日、西武との練習試合(春野)に先発。高校時代まで過ごした地元高知で4回1安打無失点と抜群の結果を残した。栄光のドラフト1位も、プロ4年間で4試合登板の勝ち星なし。崖っぷち男のパフォーマンスに、和田監督も注目し、1軍戦力として二神の名前をインプットした。

 落ち着いた表情は変わらず、二神はゆっくり右足をプレートにかけた。4年分の悔しさがある。簡単に打たれるわけにはいかなかった。4回、味方の失策と犠打で1死二塁のピンチを背負った。昨季西武の4番に座った浅村を迎えた。スライダーとカーブで追い込み、1ボール2ストライク。最後は外角低めの直球で投ゴロに仕留めた。森本も右飛に打ち取り、4回を無失点で投げ終えた。

 二神

 ああいうところを踏ん張って試合はつくっていくものだと思っている。1つずつアウトを重ねられた。攻めていこうという気持ちでした。よかったんじゃないかなと思います。

 かつての直球主体だった投球は捨てた。スライダーとカーブで常に、カウント有利の状況を作った。ボール球も際どいコースばかり。投じた54球のうち、変化球は29球を数えた。要所はキャンプで磨いた直球で押した。同じ腕の振りから投げ込む変化球で、打者のタイミングを外した。変幻自在だった。

 二神

 直球の使い方が課題だったので、反省をふまえて臨みました。全球種をリズムよく投げられたと思います。結果は出たけど、ボール自体はあまり納得していません。もっと強いボールを投げたい。

 ドラフト1位入団から、今年で5年目。同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。毎年この時期は地元高知で登板し、大歓声を浴びてきた。だがシーズンでは期待に応えられないでいた。過去4年間で登板は12年シーズンの4試合のみ。昨季はサイドスローに挑戦するなどフォームを何度も改造した。背番号も「18」から「66」に変わった。悔しさは人並みではなかった。

 “5年目の逆襲”で、開幕ローテ入りを猛アピールした。和田監督は「テンポもいいし、コントロールがいい。まだ中継ぎでもいける投手」とリリーフ起用までほのめかせ、1軍戦力の計算に入れた。結果を残し続ければチャンスは広がる。

 二神

 自分は力を伸ばしていって、争いに食い込んでいくしかない。なんとか優勝に貢献したい。

 手ぶらで帰省はもうこりごりだ。ローテ入り、初勝利、必要戦力…。今年こそ多くの手土産をつかみ取る。二神が覚悟の船出だ。【池本泰尚】<二神一人(ふたがみ・かずひと)アラカルト>

 ◆生まれ

 1987年(昭62)6月3日、高知・大月町。

 ◆球歴

 高知で3年夏に甲子園に出場。法大では4年の大学選手権で日本一となり、MVP。09年ドラフト1位で阪神入団。

 ◆1年目はケガの連続

 10年シーズンはオープン戦で好投しながら3月に左内腹斜筋の筋挫傷。7月には右肘内側側副靱帯(じんたい)を損傷。1年目は2軍公式戦1試合の登板に終わった。

 ◆フォーム改造

 4年目の昨季は3年ぶりの1軍キャンプも、練習試合で5失点し2軍へ。投球フォームをオーバースローからサイドスローに変更し、さらにシーズン中にスリークオーターに変えた。2軍公式戦25試合で3勝5敗、防御率4・64。1軍登板はなし。

 ◆台湾で開花

 昨年11月末から台湾ウインターリーグに参加。中継ぎや抑えで7試合に登板。2セーブで防御率0・82。その途中に背番号変更(18→66)が発表された。帰国後「悔しさはあります。体をつくって来季に向けて頑張りたい」と切り替えた。

 ◆結婚

 11年11月11日に高知高で同級生だった佳奈さんと7年間の交際を実らせてゴールイン。

 ◆サイズ

 185センチ、84キロ。右投げ右打ち。