<オープン戦:オリックス9-6ヤクルト>◇5日◇京セラドーム大阪

 昨季のセ・リーグ最多勝投手で新人王の「ライアン」ことヤクルト小川泰弘投手(23)が3月28日のDeNA戦(神宮)で開幕投手を務めることが5日、決まった。この日オリックス戦(京セラ)に先発し、5奪三振で3回を無安打無失点と好投。小川監督は「誰でいくとコメントはできない。本人にはまだ伝えていません」と明言を避けたが、首脳陣は軸として1年間を託すことを決めた。

 経験豊富な石川と、どちらを指名するかの議論を重ねてきた。その結果、昨季16勝4敗の好成績に将来性を加味。この日の登板を問題なく終えたことで、今後は中7日、中7日、中6日と万全のローテーションで開幕に備えていく予定だ。

 首脳陣の期待に小川がパーフェクト投球で応えた。結果はもちろん、捕手の構えと逆のコースに投げたのは44球中で2球と、昨季同様の高い制球力を見せた。

 進化も示した。「初球のカーブは振りづらいはず」。ヤンキース田中のようにカーブがカウント球となれば、緩急がついて幅が広がる。春季キャンプでは高津投手コーチから「カーブは腕が少し緩む」と助言され、「球速が上がるかもしれないけどスピンをかけながら腕を振って前で離す」と、直球と同じ腕の振りで投げる練習を積んだ。

 結果は狙い通りだった。2打者に対して初球カーブを投じ、いずれも見逃しのストライクを奪った。「ファーストストライクをどう取るかが課題だった。カーブが良ければ直球も生きる。去年より安定していますね」と、直球で3つの見逃し三振も奪い手応えを深めていた。

 次回は開幕カードの相手でもあるDeNA戦(13日、ほっともっと)の予定。「開幕投手をやらせてもらえるなら思い切ってやりたいし、チームが勝てば勢いに乗ると思う」。まずは前哨戦で、強烈なイメージを植え付ける。【浜本卓也】