<オープン戦:ソフトバンク6-0阪神>◇5日◇ヤフオクドーム
ソフトバンク中村晃外野手(24)が今季初アーチで復調スイッチを入れた。3回2死で阪神メッセンジャーの外角直球をオープン戦、リーグ戦を通じて自身初となる左翼席へ運んだ。昨年打率3割7厘の男も模索を続け、これが実に4試合、14打席ぶりの安打。首脳陣は上昇気流に乗るよう求めた。
少しギョッとした顔が驚きを表していた。一直線に左翼席へ伸びた。確かに中村自身のバットから放たれた打球だ。「初めてです。入るとは思っていなかった。パワー?
そうですね。いつも通りレフト前に打とうとして、たまたま入りました」。手のひらに残った感触と打撃の結果は予想と少し違っていた。
3回2死。メッセンジャーの初球146キロ。やや反応が遅れたようにも見えたが、踏みだしとリストの強さが持ち味。力負けせずヘッドがきれいに返った。拳1個分、バットを短く持つスタイルでも逆方向へ。秋山監督は「晃は自分でもびっくりしてるんじゃない。ああいうのを覚えていけばいい。速い投手に対してね」と評価。勢いあるボールをきれいに反発させた。
帝京では高校通算60本塁打のスラッガー。プロでは通算5発ながら、昨年9月4日の日本ハム戦で6時間1分の試合にけりをつける3ランなど、勝負どころの破壊力はある。首位打者の長谷川を見習い、ウエートトレーニングを取り入れ、打球の強さは確実にアップしていた。ところが「トレーニングしたらインパクトが勝手に強くなって。力んでしまったのか、自主トレからキャンプまでなかなかうまくいかなかった」と振り返るように、“強化ボディ”とスイングのマッチングに障害が起きた。昨年3割7厘の好打者が13打席無安打。そんな停滞感を吹き飛ばす一撃となった。
残り3打席は凡退したものの、「1つずつ問題は解消されています」と中村の声は明るくなってきた。秋山監督は「だいぶ積極的に打つ方にしているから」と上昇ムードを感じていた。1番か9番。打順確定はもう少し先でも、相手にとってはやっかいな打者が復調してきた。【押谷謙爾】



