<オープン戦:中日2-1西武>◇6日◇小牧

 西武岸孝之投手(29)が強気の「内角投法」で開幕にピタリと照準を合わせた。今季、対外試合初登板で先発し、3回を無安打無失点に抑えた。「(2月20日の)紅白戦からの間隔が結構あったので不安だったけど、直球の感覚は悪くなかった。変化球でストライクも取れた」と安堵(あんど)の表情を見せた。

 すでに開幕投手に内定している右腕が、レベルアップした姿を披露した。「今までは左(打者)にスライダーはあまりなかったけど、今日はそこが良かった」と納得の様子。先発オーダーに左打者が7人並んだ中日打線は絶好の練習台だった。内角スライダーでファウルを打たせてカウントを稼ぐと、決め球に直球とチェンジアップを選択。清川投手コーチも「直球もスライダーも左打者に対する内角のボールが良かった」と評価した。

 変化球の球種別の内訳は全17球中、スライダー5球、チェンジアップ5球、カーブ7球。3種類の変化球をまんべんなく織り交ぜた。昨季はカーブが約45%、チェンジアップが約40%、スライダーは約15%だった。女房役の炭谷は「去年はあまり得意な球じゃないから使いづらかったけど、幅を広げていこうということで」と、“インスラ”を意図的に要求した。

 2年連続の大役だ。昨季は敗戦投手に終わっているだけに、「勝てる投手」になることを最大のテーマに設定している。1回、2四球を与え、2死一、三塁とした。ここでも5番森野を内角直球で遊飛に抑え、「自分で作ってしまったピンチだったけど、ゼロで抑えられた。あそこをしのげるかというのが大事」と手応えをつかんだ。

 開幕まで残り約3週間。次戦以降は中6日で13日の日本ハム戦を経て、中7日で21日のロッテ戦の登板が濃厚。リベンジの準備が整いつつある。【為田聡史】