<オープン戦:オリックス6-10巨人>◇7日◇京セラドーム大阪
真打ちの特大アーチで、巨人打線が一気に開花した。オリックスとのオープン戦に「5番捕手」でスタメン出場した阿部慎之助捕手(34)が4回、右翼席に2ランを放り込んだ。オープン戦7試合目のチームにとって、クリーンアップが放った初本塁打。つられるように、3番長野から7番坂本まで全員が長打を放った。開幕まで残り3週間で、打線に太い芯が入った。
強力打線の看板は、やはりこの男だった。4回1死一塁、阿部がオープン戦1号2ランを放った。「ガツン」と強烈な音を響かせ、余韻に浸る間もなく、京セラドーム右翼2階席の壁にぶち当てた。圧巻の弾丸ライナーは、日本球界最高峰の推定年俸6億円を稼ぐ男の打球だった。「(ホームランが)1本出たことは、いいんじゃないか」。結果を冷静に捉え、一喜一憂はしなかった。
与えられた時間を有効に使った証しだった。オープン戦初戦の2月22日DeNA戦で、左ふくらはぎを打撲。実戦復帰は1日のヤクルト戦までずれ込んだが、焦らなかった。「開幕までは、あと1カ月近くある。今までの貯金もあるし、この時間を使って、いい意味で疲れているところを休ませるよ」。実戦を離れ、黙々と淡々と自分の調整に専念。患部の回復を優先しながら、バットを振った。
試行錯誤の中、完成型を模索する。4日の日本ハム戦(札幌ドーム)から、バットを構えた際のトップの位置を微調整。寝かせ気味だったものを、立てるように変えた。3日の練習でも原監督にアドバイスを受け、プチ修正。最高の結果にも「打撃は試行錯誤中なので。いろいろなことを試して、開幕にしっかりと合わせたい」と言ったのは、最高な形は何かを求めているからだった。
中軸を固める選手も、盤石だった。3番長野、4番村田、6番ロペス、7番坂本も二塁打をマーク。4選手ともに、自分の形でボールを捉え、クリーンヒットで長打を放った。本塁打の阿部を含め、6本の長打を記録。例えるなら、遠くにぶっ放す「ドラコン」のような打線だった。原監督は「好球必打で、いい形ができてきていますね」と順調な仕上がりを評価。強力打線の骨格が、完成し始めた。【久保賢吾】



