日本ハム大谷翔平投手(19)が7日、甲子園の「トラウマ」の一掃を宣言した。今日8日に敵地・阪神戦で先発。同じプロ2年目藤浪との初めての投げ合いが実現する。甲子園は、花巻東時代を含めてプロ、アマで出場計3戦全敗。開幕前の前哨戦ながら「勝って、いいイメージを持ちたい」と必勝宣言した。苦い思い出を藤浪撃破で振り払うため、聖地初白星を狙う。

 センチメンタルな思いがある。野球選手なら、誰もが胸躍る響き。甲子園。大谷は聖地のマウンド踏む前に、しんみりと回想した。先発を翌日に控えたこの日、ほっともっと神戸で最終調整。ブルペンで45球を入念に投げ込み。アイシングをしながら、穏やかな口調で本音を漏らしていった。「負けた思い出しかないで」。注目の藤浪との大一番を前に、神妙に「トラウマ」の記憶をたどった。

 悲運の地だ。高校時代。最速160キロをマークし、通算56本塁打のスーパー球児だった。2年夏、3年春と2度出場したが、ともに初戦敗退。ちょうど2年前のセンバツは大阪桐蔭に完敗した。藤浪から本塁打を放ち一矢は報いたが、ほろ苦かった。プロ入り1年目。野手出場した昨年5月の阪神戦でも、藤浪から2二塁打と奮闘も大敗。通算3戦全敗と、勝利の女神から見放されてきた。

 執着はだからこそ、強い。いつもクールだが、オープン戦とはいえ必勝宣言した。「(プロで藤浪を)打ったけれど結果、負けているので。しっかり勝って、いいイメージを持ちたい」。3年春夏の甲子園を制し、プロでも昨季の対決で脚光を浴びたのは藤浪。大谷の甲子園での負の歴史に、常に伴走してきたシンボル的存在だ。「意識はないですけれど、なかなかないこと」と静かに歓迎した。

 重い過去の一掃に、最適の相手と投げ合う。藤浪は1年目は10勝、二刀流に挑戦した自身は3勝。大谷は「2ケタがすごい。(先発を)1年間やった。僕は全然、及ばない」と敬意を払うライバルと激突する。一時検討された打者兼任ではなく、投手専任で出場することになった。「ずっと結果を求めてやってきた」。大谷が自分史を変える初勝利を、藤浪から奪いにいく。【高山通史】

 ◆日本ハム大谷と甲子園

 花巻東時代は2度出場も初戦敗退。2年夏は左太もも肉離れの影響で、帝京戦に右翼手で出場。4回途中から登板したが5回2/3を投げ3失点(自責1)で敗戦投手になった。3年春は藤浪を擁する大阪桐蔭と対戦し、8回2/3を投げ7安打9失点(自責5)で敗戦投手。11三振を奪ったが、11四死球と制球が乱れた。打者では藤浪から先制本塁打を放った。プロ1年目の昨季は5月26日の交流戦、阪神戦で5番右翼で出場。藤浪から二塁打2本を放ったが、チームは1-7で敗戦。