<オープン戦:巨人5-5日本ハム>◇23日◇東京ドーム

 大黒柱が開幕戦先発マスクに道筋をつけた。首痛を抱えていた巨人阿部慎之助捕手(35)が、15日のソフトバンク戦以来となる先発出場。5回で交代し、2打数無安打も盗塁を刺し、攻守で制御のないプレーを確認した。28日の阪神戦での先発出場をクリアにした。

 4回無死一塁。西川の二盗の仕掛けに対し、捕球から無駄のない動きで右肩を振り下ろした。二塁ベース上へ一直線の球筋でアウトにした。「ちょっとでも不安があったら投げられない」。強いスローイングは首への負担もかかるプレーだが、問題なくこなした。「不安なくできて良かった」。開幕へ向け、霧が晴れるプレーだった。

 中止となった13日のロッテ戦の朝に首に違和感を覚えた。「寝違えたかな」。年に数度ある症状なだけに、軽症だと思っていた。だが15、16日のソフトバンク戦出場後に状態が悪化。18日の西武戦ではプレー不可能で、試合前に球場を後にして精密検査と治療を行った。神経が行き渡る繊細な場所なだけに不安に陥りがちだが、明るさは変わらなかった。19日に球場を後にする時にシャツの襟を立て「首を隠しているわけじゃないからね」と冗談を振りまくこともあった。過去の経験からケガへの強さには自負がある。自分の肉体の回復力を信じていた。

 5番を任される打撃は2打数無安打。4回の二ゴロは詰まり気味だったが感触は悪くない。オープン戦最終戦での一発回答。「開幕へ向けていい準備ができた」。日本一奪回へ、阿部が歩を進める。【広重竜太郎】