<ソフトバンク1-5日本ハム>◇1日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクが3月2日以来、1カ月ぶりに敗北感を味わった。開幕4戦目。今季初めて秋山幸二監督(51)から敗者の弁が出た。「打線が点をとっていかないと。ボールが動いている分、狙い球を絞りきれなかった。そういう投手にいい投球をされては取れない」。開幕から3戦連続2桁安打の強打線が散発6安打と小休止させられた。

 日本ハムのメンドーサに7回途中まで4安打1失点と好投を許し、来日初勝利を献上。計画的な“隠し球”を決められた。2週間前にオープン戦で対戦した際、相手はチェンジアップを封印。スコアラーを送り込んでいた直前登板の2軍ロッテ戦も同様。ところがこの日は打順が2回り目に入り、37球目から解禁した。

 中盤以降の55球のうち9球。割合は少なくても間合いを外してくる球種の追加はやっかい。秋山監督は「(直球がシュート回転する)『真っシュー』して抜けていたし、スライダー、カーブ、チェンジアップと的を絞らせない投球」と声を吐き出した。試合前に藤井打撃コーチも「チェンジアップを投げてくる」と警戒したが、7回は長谷川がタイミングを外され、空振り三振。リードした日本ハム大野は“隠し球”を聞かれ、ニッと笑いを残して球場を去った。

 オープン戦からの連勝は“16”で止まったが、優勝候補は揺らがない。「抑えるところは抑える。取れるところは取らないとこういう試合になる。さあ気を引き締めていきましょう」と秋山監督。打線を引き締めるきっかけを与えてもらっただけだ。【押谷謙爾】