<中日0-2巨人>◇4日◇ナゴヤドーム
巨人原辰徳監督(55)が通算800勝を勝ち取った。おいに当たる先発菅野智之投手(24)が8回無失点と好投。中盤で奪った2得点を的確な采配で守り切った。800勝以上は通算15人目で、球団では水原茂監督、川上哲治監督、長嶋茂雄監督に続き4人目の快挙となった。
原監督はメモリアル勝利に、まったく頓着していなかった。試合後に関係者から通算800勝を知らされ、初めて快挙達成を知った。「まったく意識していなかった。私の力は数%もない。選手も含め、周りのおかげです」。最後は菅野からウイニングボールをプレゼントされた。だが自然体の1勝に変わりなかった。
「どっちに転んでも、意思力で動いた時は、必ず実になる」
自らに言い聞かせてきた信念がある。5回に2点目の適時打を放ったアンダーソンが二進し、代走松本哲を送った。助っ人は足全体に張りを抱えていた。広いナゴヤドームは守備力が求められる。菅野の出来ならロースコアでも守りきれる。それでも4戦連続打点で打率5割超の助っ人を中盤で代えるのは、勇気がいる。だが信念に基づけば、動くことに迷いはなかった。球数が増えていた菅野には「8回も行きたそうだった」と続投させた。山口がインフルエンザで離脱中だが、守護神西村と今季初の無失点リレーを完成させた。
監督の重責である交代の手腕。昨年4月の広島戦で内海のピンチ時にマウンドに行き、投げたそうな表情のエースにたずねた。「行くか?」「行かせて下さい」。続投させたが、打たれた。失敗から学んだ。「(代える)意思を伝えてから、委ねる。意思も伝えないで聞けば、選手は『行きます』という。投手はカッカしているから。やぼだよな」。決断に深みが増した。
予期せぬ手を進んで打つ。3月19日の燦燦会で締めのあいさつをシャイな山口に振った。「予想できることをしてはダメ。こちらが招いたお客様に楽しんでもらわないと」。采配にも通ずる。オープン戦では内野手が本職の藤村を、途中交代で中堅に投入した。「センター藤村とか予想できないだろう?
藤村も幅が広がったと思う」。大胆策から生まれるものがある。
「僕らは1日、1試合を戦っているだけ」。成功も失敗も重ねてきた。その結晶が、800勝になった。【広重竜太郎】
▼原監督が史上15人目の監督通算800勝を達成した。巨人の監督で800勝以上は川上監督1066勝、長嶋監督1034勝、水原監督881勝に次いで4人目。初勝利は02年4月3日中日戦(4試合目)で、1440試合目で到達。水原監督1250試合、鶴岡監督1317試合、三原監督1359試合、川上監督1363試合に次ぐ5位のスピードで、同じ巨人で達成した長嶋監督の1564試合より124試合早い。通算勝率は5割7分7厘で、800勝以上の15人中4位。



