日本ハム大谷翔平投手(19)が投手としての「ゆとり教育」を、解除される可能性が出てきた。12日西武戦で今季初勝利を挙げ、本格的な先発ローテーション入りへとシフトチェンジ。次回登板は中7日の登板間隔で、20日楽天戦(コボスタ宮城)が濃厚になった。これまで投手起用は肉体的な負担を考慮して十分な充電、調整期間を与えられてきた。理想の二刀流モデルへ、また前進する。

 「投手・大谷」の育成ピッチが上がる。ローテーションへの完全定着へ向け、また1段階ステップアップする。栗山監督は今日15日からのオリックス3連戦へ向けこの日、大阪入り。新千歳空港で、大谷の次回登板プランの輪郭を示唆した。「(登板後のコンディションも)問題なさそうだしね。少し間(隔)が詰まっていくかなぁ、という感じはしているんだよね」。

 格段の進展になる。今季初登板の3日ソフトバンク戦は体調不良もあり3回61球で降板と不安定さを露呈した。今季2戦目の西武戦へは、体力消耗が少なかったため中8日で登板。プロ最速タイ157キロをマークし、自身初の2ケタ10三振の快投。5回2/3で降板も118球を投げ切り、先発投手としての十分な適性を証明した。当初は中10日以上で次戦へという計画も温めていたが、この日までに変更。中7日で楽天戦へ回りそうだ。

 今季は野手としてもフル稼働中。開幕から15試合を経過した時点で、代打1試合を含む出場7試合とハイペースを維持している。大谷は疲労の色も見せずに「(心境の変化は)特には、ないです。そのまま、いつも通りやりたいです」と平常心で、再度のマウンドへ備えるつもりだ。投手に重きを置く今季。首脳陣、大谷ともに目指すのは1週間に1度の中6日で先発投手を務め、その合間に野手で出場する。現実になるまで秒読み段階に入ってきた。【高山通史】