<ヤクルト2-9広島>◇24日◇神宮

 先制しても簡単に逆転され、2年ぶりの8連敗となった。広島には今季5戦全敗で、一塁側ベンチからクラブハウスへと引き揚げるヤクルト小川淳司監督(56)の表情は沈み、言葉数は少なかった。「コメントのしようがない。あしたから切り替えていくしかない」。自分に言い聞かせているようだった。

 試合前に危機感は表れていた。グラウンド入りする直前、全員を集めて今季初めて緊急ミーティング。「覚悟を決めて集中しよう。四球もエラーもある。打てないこともある。1点取られたら1点を取ろう。1点取ったら次の1点を取ろう」とナインを鼓舞した。

 気が進む話ではなかった。「負けている時にやりたくないんだけどね。投打が今はかみ合っていないけど投げやりになって欲しくない。残り120試合もあるんだからね」と、意味合いを説明した。実は練習開始前、報道陣に「開き直りって何だろうね」と話し掛けてきた。ほかの人と話すことで自分の考えを整理していたのだろう。それが「覚悟」という言葉となった。

 それでも結果は好転しなかった。「言ったからといって結果が出るとは思っていない」。もちろん負の連鎖を断ち切る特効薬などない。出口はなかなか見えてこない。【矢後洋一】