中日2年目の浜田達郎投手(19)が28日、敗戦処理からの成り上がりを誓った。27日にプロ初の1軍昇格。今日29日からのDeNA3連戦(横浜)にも中継ぎでデビューする。日本ハム大谷、阪神藤浪と並んで「高校ビッグ3」と呼ばれた左腕は、ここまで大きく出遅れているが、逆襲へ気合十分。結果を出し続け、セットアッパーにのし上がる意気込みだ。

 初めて横浜スタジアムを訪れた浜田は、真っ先にマウンドを確認した。「硬いですね。硬い方が好きなので大丈夫です」。プロ初登板となるかもしれない敵地の仕事場。上々の感触に、より気持ちは高ぶった。「打たれることは考えてません。抑えてアピールしていきたい」。思い描くは0封デビューだけだった。

 日本ハム大谷、阪神藤浪と並ぶ「高校ビッグ3」の一角として、愛工大名電から12年ドラフト2位で入団した。だがルーキーイヤーの昨年、左肩の不安や制球難に苦しみ、2軍でも2勝8敗、防御率6・39と散々。二刀流で話題を呼んだ大谷にも、10勝した藤浪にも大差をつけられた。だが今季から高校時代のスリークオーターに戻して制球が安定。2軍ではプロ初セーブをマークするなど8試合10回1/3で2四球、9奪三振、防御率0・87と結果を出し、1軍をつかんだ。

 「スタイルは思い切り腕を振ること。臆せず自分の投球をしたい」。昇格当日の27日ヤクルト戦は登板機会なく、今日29日のDeNA戦にもその時が訪れる。出番は大差試合が濃厚。だがチャンスさえもらえればいい。大谷や藤浪については「僕がビッグ3と言ったわけじゃない。気にならない」と言うが、比較されて悔しくないはずがない。2人がエリートなら敗戦処理から成り上がる心意気だ。

 今季は2軍で1度も先発がないように、首脳陣は中継ぎ適性に注目している。結果を出し続ければ勝利の方程式入りも夢ではない。前日は福谷が打たれ、田島も安定感を欠くなど救援事情は苦しい。救い投げで孝行息子になる。【松井清員】

 ◆浜田達郎(はまだ・たつろう)1994年(平6)8月4日、名古屋市生まれ。愛工大名電では1年秋からエース。2年秋の神宮大会準優勝。甲子園は3年春に8強、夏は初戦敗退。12年ドラフト2位で中日入団。最速147キロも1年目の昨季は2軍で結果を残せず、野球協約の減額制限いっぱいの25%ダウンとなる165万円減の495万円で契約更改。12月に台湾ウインターリーグに派遣。183センチ、90キロ。左投げ左打ち。