<阪神1-8ヤクルト>◇7月31日◇甲子園

 阪神マウロ・ゴメス内野手(29)が孤軍奮闘した。打線が低調で、ヤクルト村中に完全な力負け。それでも4番らしく、意地を見せた。4回2死、外寄り直球を引っ張り、痛烈なライナーで左前に運ぶ。7回無死一塁では中前へ。この日、唯一の得点を導く好機を築いた。チームでただ1人のマルチ安打をマークした。

 敗軍の列のなか、立ち止まって言う。「負けてしまったんでね。真っすぐが良かったよ」。苦しい展開だったが主砲の復調は収穫だろう。急激な猛暑で夏バテし、7月29日ヤクルト戦を発熱で欠場していた。前日30日に復帰。左翼線適時二塁打の快打に続いて、この日も快音だ。

 開幕から90試合連続で4番で先発出場していたが、体調不良で途切れてしまった。それでも、チームのためにベストを尽くす。発熱を抑えるべく、回復に努めた。病院で検査を受け、点滴治療も施していた。慣れない日本の暑さに適応しようと必死に戦っている。

 今日からは勝負の8月戦線が始まる。ペナントレースを左右する重要な1カ月になる。不動の主砲は打率2割8分8厘、17本塁打、75打点と堂々たる成績。ニッポンの暑い夏と戦いながら、ポイントゲッターになりきる。【酒井俊作】