ロッテ成瀬善久投手(29)が1日、QVCマリンで会見を開き、今季取得したFA権を行使することを宣言した。週明けの4日に申請書類を提出する予定。「宣言残留」を認めないロッテを退団し、他球団との交渉に臨むことになるが、希望球団についてはフラットに考えていることを明かした。
家族の後押しを受けて決断した。「両親も妻も、どこに行っても野球をやるのは変わらないと言って、後押ししてくれた。感謝している」と、目を潤ませながら話した。11年間在籍したロッテを退団する「寂しい気持ち」を理解し、支えてくれた。「話をしたいと言ってくれる球団は、フラットに見ようと思っている」。どこにでも行く決心がついた。
声をかけてくれるすべての球団に門戸を開放し、交渉の席に着く準備をする。その席で「自分の思いを伝えたい」と、優勝できるチームづくりに関する持論を展開したい考え。ロッテとの交渉ではズレを感じてしまった部分で、共感できるチームを探すつもりだ。
12日に公示され、13日から交渉解禁となるが、ヤクルトと阪神が、すぐにでも獲得に乗り出す構えを見せている。その他にも投手を補強ポイントとしている球団は多いだけに争奪戦が予想される。この日、げっそりとした表情で「つらかったですし、ここまで悩むとは思わなかった」と心境を明かしたが、来季に向けてあと1つ大きな決断を要することになる。【竹内智信】<成瀬のFA決断までのコメント>▼10・13
交渉前
残留希望・「交渉の場では思うところを全部言いたい。本当に勝ちたいと思っているのか。全部が同じ方向を向かないと優勝の2文字はない」・「ずっといるチームなので、もちろん残りたいのはある」・「このチームの方向性が自分の方向性と違うのであれば仕方ない」▼10・15
交渉1回目
約1時間の話し合い→結論出ず・「僕の温度と違うのかなと思った部分は正直ありました。(評価については)11年間ロッテにいる中での実績はあまり気にされなかったのか…。ショックを隠せないというか、寂しい気持ちになってしまいました」▼10・27
交渉2回目
約40分の話し合い→進展なし▼11・1
会見・「つらかったですし、ここまで悩むとは思わなかった」