日本球界最速を誇る侍ジャパン大谷翔平投手(20=日本ハム)が今日18日、「2014

 SUZUKI

 日米野球」第5戦(札幌ドーム)でMLBオールスターとガチンコ勝負する。12日の第1戦は中継ぎでの1回限定登板だったが、今度は先発マウンド。150キロ超えの高速フォークをはじめ、全球種を駆使してのメジャー斬りを宣言した。さらに来季以降、球界史上最速の163キロにも自信をのぞかせる衝撃発言も飛び出した。

 目が本気だ。「2桁勝利&2桁本塁打」の偉業を達成した14年の、正真正銘最終登板。17日に札幌市内の室内練習場で調整した大谷は、メジャーの強打者を相手に必勝を誓った。「勝ちたい。自分の仕事を精いっぱいやりたいです。いい形で終われるように。使える球種は全部試したい」。150キロを超える高速フォークなど、あらゆる武器を駆使して真っ向勝負する。

 中継ぎで1イニングを投げた12日の第1戦は、全12球中10球が直球だった。最速159キロで3者凡退。だが「(狙って)出しにいくのは球宴くらい。出しても意味がない」。この日の投球練習も35球のうち半分以上が変化球。スピードは度外視し、徹底的に勝負、結果にこだわる。

 一方で、球速を期待するファンをワクワクさせる衝撃発言も飛び出した。この日、世界遺産「熊野速玉(はやたま)大社」の名にちなんで選ばれる「速玉賞」の第9回受賞者に、大谷が選ばれたことが発表された。「すごく光栄」と喜ぶと「もっともっと、自分がいま持っている以上のものが出せると思う。今年は162(キロ)でしたけど、もっともっと出せるようにしていければいい」。オフのトレーニングでさらにひと回り成長し、来季以降、球界史上最速となる163キロの更新を“予告”した。

 夢の快速球実現へ弾みをつけるためにも、まずは本拠地マウンドでMLBオールスター打線を沈黙させる。今季の首位打者2人など野手は豪華メンバーのスター軍団の中で、「プイグとやってみたい。身体能力が高く、トータルで見てもすごい選手」。珍しく、メジャーの次世代を担うキューバの怪童に名指しで挑戦状をたたきつけた。日米の宝が激突する名勝負。そしてその先には、無限の可能性が広がっている。【本間翼】

 ◆速玉賞

 和歌山・新宮商工会議所青年部が、新宮市にある世界遺産「熊野速玉大社」にちなんで06年に創設した。勝負事の神とされる「速玉男神(はやたまのおのこ)」をご神体とすることで知られており、記憶や記録に残る選手・チームを選び、贈っている。

 ◆ヤシエル・プイグ

 1990年12月7日生まれ。キューバ出身の23歳。12年に亡命し、同年ドジャースと7年総額4200万ドルで契約。13年にメジャーデビュー。今季は球宴にも初選出された。通算2年で252試合に出場し、打率3割5厘、35本塁打、111打点。191センチ、106キロ。右投げ右打ち。