日本ハム大野奨太捕手(27)が、選手会長と「風紀委員」の二刀流で、来季に臨む決意を見せた。28日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨んだ。700万円アップの年俸4300万円(金額は推定)でサイン。増額にも、浮かれた様子は一切なかった。球団側とは若手選手の話題が中心。会見では、ややピリピリした空気をまとい力強く切り出した。

 大野

 目に余る行動や、チームを乱すことは球団と一緒になって取り組んでいきたい。稲葉さん、金子さんが今まで築き上げてきたものを、若い選手がどうつないでいくかが大事。

 様変わりするチームに警鐘を鳴らした。「もう1回、リセットします」。今季は若手主体のメンバーで2年ぶりにCS進出。上位相手に激戦を見せたが、優勝を逃した悔しさを忘れてほしくなかった。「今年のことは自信にして良いけど、そのままの流れでいかないように」と危機感を募らす。小谷野、大引らベテランが去り、若手がレギュラー格に躍り出てくる。「もう1回、ファイターズらしい野球が出来るよう意識付けしていきたい」と模範となって奮闘していく。

 初めての経験が覚悟を強くさせた。シーズン中は左膝や右ひじの痛みを抱えながら、自己最多の105試合に出場。プロ初のサヨナラ本塁打も放った。苦しみを味わい、日本一への野望は一層増した。「優勝目指すのは当たり前」と、成長著しい若手とともに、強気に突き進む。【田中彩友美】