巨人杉内俊哉投手(34)が10日、移籍後最多の15勝を目標に掲げ、通算150勝に照準を合わせた。「2ケタはできたけど、去年は10勝どまり。納得してません。あと14勝で150勝に到達するので、14、15勝できれば最高です」と掲げた。今季は4年契約の最終年。原監督は若手の台頭にも期待するが「僕たち、上の人間が引っ張っていかないと。やっぱり杉内だな、というピッチングを見せたい」と決意を込めた。

 原点のスタイルに立ち返る。史上最速の1930回2/3で通算2000奪三振を達成した「ドクターK」。年を重ね、奪三振数が減る中、スタイルの変更も考えたが「やっぱり必要だなと。僕の場合は三振が増えれば、イニング数も増えるし、勝ち星も増える」と三振の追求が結果に直結すると結論。昨年もフォーク、カットボールなどの新球に取り組んだように、試行錯誤を重ね、自身初の200イニングにも挑戦する。

 この日は、鹿児島・薩摩川内市内での自主トレを公開。昨年は体のゆがみを矯正するトレーニング器具を取り入れたが、今年は体幹強化を目的に「ツイスターバッグ」を新たに導入した。中に約10キロの水が入っているそうで「不規則な動きをするので、体幹を意識しながら」と両手に抱え、体を左右に振った。今季は同い年の松坂がソフトバンクに加入。「日本シリーズで投げ合って、勝てればベスト」と大舞台で直接対決の初勝利を誓った。【久保賢吾】

 ◆杉内の奪三振率

 杉内は通算1995回2/3を投げて2063奪三振と、奪三振率は9・30。2000奪三振以上の22人で投球回を奪三振が上回るのは杉内だけ。ソフトバンク時代の10年にパ・リーグ歴代2位の10・74をマークしたが、巨人移籍後は12年がリーグ1位の9・50→13年が同2位の8・76→14年が同3位8・19と奪三振率とリーグ順位が年々下がっている。

 ◆杉内対松坂の先発対決

 高校3年夏の甲子園2回戦が初対決。松坂(横浜)は5安打完封勝利。杉内(鹿児島実)は1回戦でノーヒットノーランを達成していたが、松坂に2ラン本塁打を許すなど6失点で敗れた。プロでは02年4月23日、03年6月9日、04年5月11日と3度先発で対決。いずれも松坂(西武)が勝利投手となり、杉内(ダイエー)は2敗(1試合は勝敗つかず)。