西武が春にまいたルーキーの種を、秋に収穫する。19日、東京・立川市でスタッフ会議を行い、春季キャンプで13年ぶりにルーキー全員をB班(2軍)でスタートさせることを決めた。甲子園V腕のドラフト1位、高橋光成投手(17=前橋育英)もA班(1軍)の宮崎・南郷ではなく、高知で土台作りに励む。

 田辺徳雄監督(48)は「(高橋光は)1軍なら絵的にもいい」と話したこともあったが、最終的に堅実な育成方針を固めた。「ここ何年かドラフト上位選手のケガが続いている。昨秋から競争と言っているし、ペースはゆっくりでも、その流れに巻き込まれる恐れがある」と説明した。現段階でキャンプ打ち上げ後も1軍に合流予定はなく、将来のエース候補をじっくりと育てるつもりだ。

 昨年が好例だった。ドラフト1位の森はB班スタートだったが、夏場から昇格して活躍した。だがA班で注目された同2位の山川は故障で3日目でリタイアし、シーズン中も1軍で結果を残せなかった。鈴木球団本部長は「勝ちにこだわる。今年は故障者は防げるものは防ごうということ。みなさん(報道陣)には地味になるかもしれないが、シーズン中にうんと記事を書いてもらえるように頑張ります」と話した。伝統球団がルーキーを太く育てる。【広重竜太郎】