ソフトバンク多村仁志外野手(34)が30日、福岡市内の球団事務所で代理人を伴って契約交渉を行い、7000万円減の推定年俸1億1000万円プラス出来高でサインした。昨季は右手小指裂傷で離脱した影響もあり、100試合出場で打率2割4分1厘、36打点、4本塁打。チーム3冠王の10年から成績を下げ「やっぱりやらないと落ちるのがこの世界」と責任を感じてサインした。

 5年に及んだ単身赴任をやめ、家族と福岡で生活することを検討中。石渡編成・育成部長からは「毎日出ることが君の義務。今年の分を取り戻し、我々をぎゃふんと言わせてくれ」とはっぱをかけられたことを発奮材料とする。「経験を若手に伝えるのも仕事」とオレ流を貫く孤高の天才が、若手のレベルアップにも乗り出す構え。試合に出続けることから手本を示していく。