<東京6大学野球:法大2-1慶大>◇第3週最終日◇26日◇神宮

 春秋連覇を狙う慶大が法大に連敗で1勝2敗とし、今季2カード目で勝ち点を落とした。ドラフトの目玉、4番伊藤隼太外野手(4年=中京大中京)は4打数1安打。4回に先制の足掛かりとなる中前打を放つも、その後は投手陣を援護できなかった。法大は190センチの大型右腕、三上朋也投手(4年=県岐阜商)が1失点完投で今季初勝利を挙げた。6回に野選で勝ち越した。

 試合後、慶大・伊藤は自分を責めた。「自分が打てなくても勝てばいいと思っていた。でも今日は自分が打てなくて負けた。歯がゆいです」。もどかしさといら立ちがにじみ出ていた。

 先頭の4回には、中前打で先制の足掛かりをつくり生還。だが安打はこれだけだった。5回2死一、二塁のチャンスでチェンジアップを打ち損じ、投ゴロで攻守交代。「1ストライク3ボールのバッティングカウント。完全にミスショットです。打ちたい気持ちが前に出過ぎて抑えられなかった」と唇をかんだ。

 今秋ドラフトの野手の目玉として、阪神などが1位候補に挙げる左の強打者。春は打率4割5厘、4本塁打、17打点で3冠王まであと1歩としたが、今季は21打席9四球と警戒され、5試合で打点も本塁打もゼロだ。江藤省三監督(69)は「責任感が強すぎるのかもしれない」と主将を気遣った。

 開幕前、今季の目標は10戦全勝だった。しかし前日に今季初黒星がつき、勝ち点5の「完全優勝」に修正したばかり。春秋連覇へ、もう勝ち点は落とせない。次戦は、現在単独首位の明大との大一番だ。「優勝の目はまだある。内容じゃなくて、勝ちに、結果にこだわらないといけない」。背水の陣で、明大・野村との「ドラ1候補対決」に臨む。【鎌田良美】