<都市対抗東北地区第2次予選:トヨタ自動車東日本23-0須賀川クラブ>◇予選リーグC組第2戦◇1日◇青森県営球場

 初出場の岩手第1代表・トヨタ自動車東日本(金ケ崎町)が福島・須賀川クラブ(須賀川市)を7回コールドで下し、大会初勝利を飾った。3番大谷龍太外野手(25=岩手・前沢)が6打数4安打5打点で勝利に貢献した。この日、弟の日本ハム大谷翔平(18=岩手・花巻東)は中日戦で投手としてプロ初白星。兄弟そろってのうれしい「初勝利」となった。

 大谷が大車輪の活躍をみせた。二塁打1を含む4安打5打点。187センチ、87キロの体で50メートル5秒8の俊足を生かし、2盗塁も成功させた。守備でもレフト前のヒット性の打球を好捕するなど、走攻守に力を発揮。予選リーグ1勝1敗とし、決勝トーナメント進出に望みをつないだ。

 「結構点が取れた。得失点差も稼ぐことができた。若いチームだから、とにかく元気に行こうとやっている」。四国の独立リーグでプレーした後、昨年設立されたトヨタ自動車東日本に入社。野手担当のコーチ兼任としてチームを引っ張る。

 初勝利を飾った青森県営球場から青森市内の宿舎に帰り、チームメートから弟翔平が勝利投手の権利を得て5回で降板したことを聞いた。その後、入浴。風呂上がりに弟のプロ初勝利を知った。「びっくり。こんなに早く勝てるとは思っていなかった。うれしいです」と声を弾ませた。

 最近は忙しく、弟と連絡は取っていなかった。シーズン初めの4月、電話で話した。「たいした話はしなかった。こっちから一方的に『頑張れよ!』ぐらい。でもよかった」。舞台は違うが、プロでも成長を続ける弟の姿を励みにする。

 今日2日は強豪の宮城第1代表・七十七銀行と対決する。決勝トーナメント進出、そしてその先にある全国出場の鍵を握る一戦だ。「(C組は)激戦ブロックといわれるが、強い相手と戦えてよかったと思っている。社会人野球ができることへの感謝、応援してくれる地元への感謝を忘れず、前進していきたい」と大谷は力強く言い放った。【北村宏平】