<首都大学野球:東海大2-0大東大>◇第6週最終日◇16日◇平塚球場

 東海大が大東大に連勝で開幕から8連勝の勝ち点4とし、最終週の日体大戦を待たずに2季ぶり62度目の優勝を決めた。巨人がドラフト1位指名を表明している157キロ右腕、菅野智之投手(4年=東海大相模)は登板しなかったが、入学から8季中7季優勝は伯父である巨人原監督の現役時代に並ぶ快挙。試合後には横井人輝監督(49)が初めて、菅野に意中の球団があるらしいと明かした。試合は、左腕の渡辺圭投手(2年=東海大甲府)が1安打完封と好投した。

 登板はしなかったが、菅野の表情は晴れやかだった。「優勝は7回目ですが、今日が一番うれしい。一生忘れられない」。今春は日体大に敗れ、入学後初めて2位に沈んだ。負けて初めて勝つ喜びを再確認、人生初の胴上げに酔いしれた。8季中7季優勝で伯父、巨人原監督に並び「できれば追い抜きたかった」と笑った。

 2点リードで、本来なら8回から登板予定だった。しかし、内野安打1本しか許さない渡辺の好投に「監督、最後まで投げさせてやってください。走者が出ればいつでも行きますから」と直訴。歓喜の瞬間は率先してベンチから飛び出し、渡辺の元に駆け寄った。

 27日に迫るドラフト会議の超目玉。横井監督は初めて「本人の気持ちは揺るがないものがあるように感じた」と、菅野の意思を推察した。意中の球団があるのか、との問いには「まあ、そうでしょうね。気持ちは強く固まってるんじゃないか」と話し、すでに1位指名を表明し、伯父が指揮を執る巨人への入団を希望していることを示唆した。

 菅野自身はその話に触れなかったが、「小さい頃からこの東海大のユニホームを着てプレーしたい思いがあった」と話すように、東海大相模、東海大と伯父の背中を追いかけてきた。来週はいよいよ、ドラフト前最後の試合となる日体大戦。関東地区大学選手権、明治神宮大会と戦いは続くが、まずは春のリベンジを遂げ、有終の美で首都大学リーグを去る。【鎌田良美】