<プロ野球ドラフト会議>◇24日

 中日は外れ1位で聖隷クリストファー(静岡)の鈴木翔太投手(3年)を指名した。ドラフト直前に会議を行い、1位はJR東日本・吉田から桐光学園・松井に変更。結局松井はくじで外したが、谷繁兼任監督が映像を見て「一目ぼれした」という143キロ右腕をゲットした。

 谷繁監督は「高校生でこんなにバランスのいい投げ方をしている投手は見たことがない。ドラゴンズを背負ってエースになれる素質があるし、その思いでやってほしい」と満足の笑顔だった。将来性買っての決断だったと明かした。ただし1軍は2、3年後かの問いには「力がつけば投げられるんじゃないですか。本人が頑張れば」。1年目からでも即戦力になる素材と大きな期待を寄せた。

 松井のくじ引きは5人中4番目で、2分の1の確率で外した。現役選手では07年高校生ドラフトのヤクルト古田兼任監督以来の抽選は「手が震えました」という。だが結果的に2枚のうち、右側にあった当たりを引かなかったことには納得の表情を浮かべた。

 「プロで25年やって、この左手で何万球と受けてきた。その思いを込めて左手で、左側のを取ろうと決めていた。(当たりが)残っていたのは確かだけど、悔いはありません」。初の大役を務めた監督はさわやかで満足げだった。【松井清員】