話題性を実力で超える。ロッテのドラフト1位、早大・中村奨吾内野手(22=天理)が10日、早大の大隈会館で指名あいさつを受け、ドラフト2位の京大・田中英祐(白陵=22)への対抗心を口にした。「京大初のプロ野球選手で、注目されている。すごいなと思う。話題を持っていかれているので、自分も頑張りたい」と、鍛錬していきたい考えだ。

 田中とは6月の全日本合宿で顔を合わせたが、チームメートになるとは思ってもいなかった。その時は会話する機会もなかったという。「僕はあまり話題がないですけど、プロに入ってから、取り上げてもらえればと思う」と、ジワジワ追い上げ、田中を超える注目を集める選手になることを誓った。

 実践するのは井口流だ。尊敬する井口の著書はバイブル。「二塁手論」と「心の軸」を読んで井口の考え方を学んできた。「走攻守、すべてで勝負したい」と井口のようなバランスのいい選手を目指す。卒論では「体格と打球速度の関係性」について研究中。現在140キロほどの打球速度の向上にも努めていく。

 球団からはチームの顔になることも期待された。担当の諸積スカウトから「将来的にキャプテンになる器。それに伴った成績を残して欲しい」と言われた。女性にはもてないと謙遜する中村だが「(俳優の)高橋克典さんやソフトボールの上野選手に似てるって言われます」。人気者になれそうな雰囲気は身にまとっている。【竹内智信】

 ◆中村奨吾(なかむら・しょうご)1992年(平4)5月28日、兵庫・三木市生まれ。みなぎ台小2年から野球を始める。吉川中では三田ヤングに所属。天理高では2年夏から3季連続甲子園出場。早大では主将を務め、東京6大学リーグ通算94安打、11本塁打、打率2割9分3厘。180センチ、79キロ。右投げ右打ち。家族は両親、兄。血液型A。