ロッテ小野晋吾投手(35)が7日、千葉マリンで契約交渉を行い、華麗なる契約をゲットした。開口一番は「ダウンはダウンです」。年俸1億500万円から1億円(金額は推定)に減俸となったと話したものの、納得の表情。それもそのはず。「複数年契約をしたので。3年です」と明かした。「球団の方から言っていただきました。3年契約してくれるとは想像もしていなかった。ありがたいこと」と、戸惑うほどの驚きだった。

 93年ドラフト6位からロッテひと筋17年。38歳で迎えるプロ20年目まで保証された。「現役は、あと1、2年かな、と思っていた」というのも本音だった。本人も想定外の長期契約は、将来の指導者手形と言っていい。石川球団本部長は「複数年契約は本来したくはないが、人間性を見てきた。指導者的な性格を持っているし、投手陣をまとめてほしい」と、特例的であることを示した。

 華麗なる転向も待っている。来季はサイドスローに挑戦する。シーズン終盤のキャッチボールで、サイドスローからスライダーを投げると、あまりの変化に、相手の渡辺俊が取れないことがあった。元来の武器シュートは、サイドで威力を増すはず。さらにサイドからのカーブも習得すれば、従来にない緩急を手に入れることになる。

 秋季キャンプでサイドの本格的な練習を行う予定だったが、日本シリーズ進出のため、開始が遅くなっていた。「自主トレで遊びながらやってみて、よかったら2月のキャンプでブルペンでも試します」。実直さと向上心が、異例の大型契約につながった。【金子航】