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１回表、２打点を放った内川（右）は、中島とエルボータッチ

＜ＷＢＣ・第１ラウンド：日本１４－２韓国（７回コールド）＞◇７日◇Ａ組◇２回戦◇東京ドーム

　まさに“ズバッ”とはまった。原辰徳監督（５０）が会心の采配で宿敵韓国を歴史的な大勝で下した。北京五輪で星野ジャパンを奈落の底に突き落とした韓国の左腕エース金広鉉から８点を奪い２回途中ＫＯ。第２ラウンド進出を決め「この東京ドームで２勝することが当面の最大の目標だった。非常によかったと思います」と、超満員の観衆の声援にさわやかな笑顔で応えた。

　金広鉉攻略の作戦を考えに考え抜いた。前夜の韓国－台湾戦。コーチ陣が東京ドームに足を運んで視察している時、原監督は都内の自宅に戻ってテレビ観戦し打順の組み替えについ熟考した。そして、左右の打者を交互に並べる「ジグザグ打線」を決断。さらに金広鉉を苦手とする「つなぎの４番」稲葉を先発から外し、攻略の“秘密兵器”内川の６番先発起用を決めた。

　昨季、左投手に対し４割３分９厘と驚異の打率をマークしたセ・リーグ首位打者は初回、見事に期待に応えた。３連打で１点を先制したが、村田と小笠原が連続三振。嫌なムードが漂う中、金広鉉のスライダーを完ぺきにとらえ、三塁線を破る２点二塁打を放った。内川は「代表初打席で、心臓が口から飛び出そうでした。でも、僕みたいな選手は左投手を打たないことには次の仕事が回ってこないので」と振り返った。

　だが、韓国とは今後も最大で４試合を戦わなければならない。一瞬だけ勝利の喜びに浸った原監督の表情は、すぐに引き締まった。「世界を取る上で、彼（金広鉉）とは何度も戦う。そういう予感がしています。彼の投手としての評価は全く変わっていません」。そして、こう続けた。「向かってくる敵は必ず、堂々と戦って倒します！」。その声は、頼もしく、力強かった。【広瀬雷太】

　［2009年3月8日8時41分　紙面から］

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