先発枠をつかみ取る!

 WBC日本代表候補の広島前田健太投手(24)が14日、「完封デモ」を終えた。代表合宿合流前の最後の紅白戦に登板し、2回1安打無失点に抑えた。前回登板に続き、これでWBC球では4回無失点。1次ラウンド第2戦、3月3日中国戦(ヤフオクドーム)での先発が有力視されるが、「先発で投げられるように結果を残す」と気合十分。代表合宿に合流し、本番モードに突入する。

 侍の意地を見せた。広島前田健は結果で示した。代表合宿前最後の実戦登板は、前回10日の紅白戦に続いてWBC公式球を使用。制球力に定評がある右腕には珍しく、リリースした球が抜けるシーンも見られたが、すぐさま順応する技術がある。1回1死二塁からは、ルイスをチェンジアップで空振り三振に仕留めた。2回1安打無失点。前回から4イニング無失点で、「完封デモ」を終えた。

 2回は10球のうち変化球が9球だった。右肩への負担を最低限に抑えながらの投球だ。登板中には右肩を回したり、もむなど、気にするしぐさを見せることもあったが、「寒かったので動きが良くないこともある」と不安を一掃。8日には右肩の疲労でシート打撃を回避したものの、代表合宿に向けて最後の準備を整えた。

 前田健

 周りもレベルが高いし、各チームの主力。先発で投げられるように、結果を残したい。監督の理想に近づけられるようにしたい。ダメなら、変わることもあると思うので。

 この日、首脳陣から前田健に対し、すでに登板方針が伝わっていることが判明。3月3日の中国戦(ヤフオクドーム)が有力だが、2日ブラジル戦(同)で田中の次に投げる「第2先発」としてスタンバイするプランもあるという。先発への思いを実現させるためには、結果を残すしかない。山本代表監督は「同世代の田中と良い張り合いをしてほしい」と主戦投手としての期待をかけている。

 前田健

 (代表は)初めてなので楽しみで、気持ちが高ぶります。猛(今村)と2人で、いい形でチームに戻ってきたい。

 最終調整を終えると、戦いの地へ出発した。もちろん、ぶざまな姿では戻ってこられない。広島のエースが、世界の舞台でも実力を証明する。【鎌田真一郎】