侍ジャパンの阪神藤浪晋太郎投手(22)が、いよいよWBCにデビューする。今日10日の中国戦でリリーフ登板が濃厚。197センチの長身から投げ下ろす最速160キロの直球で、世界にその名をとどろかせる。

 「小、中学生の時から憧れてきた舞台に立てるうれしさはあるし、オープニング(セレモニー)もすごく感動した。出番があれば、自分の一番いい球を投げて、いい投球をしたい」

 東京ドームでの練習に志願参加し、キャッチボールなど軽めのメニューをこなした。これまで侍ジャパンでは日米野球や欧州代表、オランダとの親善試合での登板はあるが、年齢制限のない世界大会は今回のWBCが初めて。ネット裏にはメジャー各球団のスカウトがスピードガンを手に各国の有望選手をチェック。世界に名前を売る絶好のチャンスだ。

 ここまで2敗の中国が相手だが「キューバといい試合をしていた。(国際大会は)雰囲気も全然違うし、一瞬も気が抜けない。チームの勝ちにつながるよう、しっかり投げられれば」と油断はない。小久保監督も「ストライクが入れば大丈夫な投手。暴れることなく」と期待を寄せた。

 米国の野球雑誌「ベースボール・アメリカ」が選んだWBCに出場する注目選手でも、出場全16カ国、計約450選手の中で2位に選ばれた。世界中からの熱視線を受け、憧れ続けたマウンドにいよいよ上がる。【福岡吉央】