プロボクシングのWBC世界バンタム級王者山中慎介(33=帝拳)が偉大な先輩の背中を追いかけ、下半身を作り上げる。沖縄での走り込み合宿3日目となる29日、午前に砂浜で約1時間の長距離走、午後は陸上競技場を使い短距離走とフィジカル系の強化メニューで体を追い込んだ。

 30度を超える暑さの中、9月に控える11度目の防衛戦に向け、大きな刺激を受けた。キャンプには、かねて帝拳ジムと関係の深い元世界2階級王者長谷川穂積(35=真正)も合流。同じ左構えで、2桁防衛を果たした名王者は若手時代から尊敬する存在だ。自身が世界王座を獲得する前の11年以来の合同キャンプとなったが、今回も当時と同じく長距離走で後れを取った。「長谷川さんは相変わらず速かった。多少の悔しさもあるが、自分自身もまだまだ頑張れると勇気づけられた」とパワーをもらった。

 V9戦は僅差の判定、V10戦では2度のダウンを奪われるなど、ここ2戦は苦しい試合が続いた。次戦に向けたテーマは、代名詞の左ストレートのさらなるレベルアップ。「つま先から拳にしっかりとパワーを伝えるためにも、合宿でしっかり土台を作りたい」と力を込めた。【奥山将志】