ボクシングのWBO世界フェザー級2位大沢宏晋(31=ロマンサ雅)が4日、大阪・松原市のジムで会見し、11月5日に米ネバダ州ラスベガスで同級王者オスカル・バルデス(25=メキシコ)に挑戦することを発表した。現役復帰する元世界6階級王者マニー・パッキャオ(37=フィリピン)の前座試合になる。

 世界初挑戦が、ボクサー憧れのラスベガスで、しかもスーパースターと同興行。大沢は「世界中のボクサーの頂に自分が立てる。すごく幸せに感じます」と目を輝かせた。

 心優しい苦労人だ。21歳から介護の仕事もこなし、ホームヘルパー2級の資格を持つ。4年前には大阪市内にデイサービスセンターも設立。障がい者団体などへ寄付したファイトマネーは総額500万円以上になる。13年には、海外試合申請の不手際から1年間のライセンス停止処分を食らい、東洋太平洋王座を剥奪された。大きな試練にも「いい充電期間になった」と、前向きに考えて人生最大のチャンスを引き寄せた。

 相手は20戦全勝18KOの強敵で圧倒的不利の前評判も「世界で一番強い人と殴り合える。ワクワクする」と気後れはない。己の拳でアメリカンドリームを実現する。【木村有三】

 ◆大沢宏晋(おおさわ・ひろしげ)1985年(昭60)5月19日、大阪市生まれ。04年4月に大星ジムからプロデビュー。05年ライト級西日本新人王。11年5月東洋太平洋フェザー級王座獲得。14年7月ロマンサ雅ジムへ移籍。16年4月WBOアジア太平洋同級王座獲得。戦績は30勝(19KO)3敗4分け。172センチの右ボクサーファイター。