プロボクシングの辰吉寿以輝(20=大阪帝拳)が17日、大阪市内の所属ジムで会見し、2月9日に予定していた石橋俊(29=仲里)との54・5キロ契約8回戦(エディオンアリーナ大阪第2競技場)の延期を発表した。

 辰吉の負傷が理由で「申し訳ないです」とギプスを装着した左手を見ながら、頭を下げた。左手人さし指と中指の付け根部分にある腱(けん)を損傷しており、全治6週間。延期後の日取りは未定で、2月9日は興行そのものを中止とする。

 人生最大の大けがは、回避しようがなかった。13日のスパーリング練習で左フックを繰り出した際に、前傾した相手の頭と拳が激しくぶつかった。「ブチブチという音がした」。痛みのあまり練習を中止し、家に戻ると腫れた拳を見た元WBC世界バンタム級王者の父丈一郎から「なんかなってるわ」。病院でのエックス線検査を行い「左示指中指MP関節損傷」などと診断された。

 現在は日常生活でもギプスがいる状態で、痛みも消えない。吉井寛会長は「周りのみなさんには申し訳ない。今後は体力維持など、スタミナを落とさないための練習だけになる」。昨年12月の試合発表時に辰吉は「ええ1年にしたい」と初の8回戦挑戦を楽しみにしていたが、思わぬ新年のスタートとなった。