WBC世界スーパーバンタム級2位の西岡利晃(32=帝拳)の5度目の世界挑戦などで注目されるトリプル世界戦(9月15日、パシフィコ横浜)が、ゴールデンタイムでは史上最長の3時間枠で放送されることが1日、決まった。WBC世界フライ級王者内藤大助の活躍などによるボクシング人気の高まりもあり、中継するテレビ東京が異例のロングラン中継を決断。この日、発表された日本スーパーライト級王者の木村登勇(30=横浜光)の世界初挑戦(ウクライナ)も同時に放送する。

 ボクシングがゴールデンタイムを占拠する。トリプル世界戦を全国ネットで中継するテレビ東京は、当日の午後7時から「3時間ぶち抜きスペシャル(仮称)」として枠を確保。木村の世界初挑戦もウクライナから中継するため、ゴールデンタイムでは史上最大枠で、異例の4大世界戦を放送することになる。

 ボクシング人気の盛り上がりが、テレビ東京の決断を促した。先月30日の内藤と坂田のダブル世界戦の視聴率は平均で18・3%、瞬間最高で31・7%の高視聴率を獲得。テレビ東京の伴田昭典プロデューサーは「ボクシングで勝負するタイミングは今と判断しました」と理由を説明した。

 テレビ東京は、これまでもボクシング中継には熱心だった。かつては元世界ヘビー級王者アリの試合も放送。最近では元WBC世界フライ級王者の勇利アルバチャコフ、元WBC世界スーパーフライ級王者の徳山昌守、WBC同級王者の川嶋勝重らの世界戦を中継してきた。今回は史上最長のゴールデン3時間放送だけに、豪華ゲスト(未定)らを総動員し、社運を懸けて高視聴率を目指すという。

 トリプル世界戦は、西岡の5度目の世界挑戦以外にも見所は多い。WBA世界ミニマム級王者の新井田は、デビューから20連勝(18KO)の最強挑戦者、同級1位ゴンサレス(ニカラグア)を迎え撃つ。WBA世界スーパーフライ級王座決定戦の日本人対決からも目が離せない。伴田プロデューサーは「史上最大枠の中で、魅力あるカードをたっぷり伝えたい」と意気込んでいた。