日本ボクシングコミッション(JBC)が新たな事故防止や安全管理強化策として、6日からインスペクターを両コーナーにも配置した。インスペクターは試合を管理監督し、ボクサーの安全防護などが職務。2人はコーナーで、1分間のインターバルに選手の健康状態をチェックする。ダメージが強い場合はドクターの診断を要請し、少しでも未然に事故を防ぐ狙い。安河内事務局長は「ルール化したい」と話した。

 今年に入って、試合後に急性硬膜下血腫で開頭手術を受ける例が2件起き、3月の日本ミニマム級王座決定戦ではKO負けの辻昌建選手(享年30=帝拳)が死亡。JBCではビデオを元に検証し、今後は試合役員のリポート提出、ヒアリングなども実施していく。

 今月中に日本プロボクシング協会と合同健康管理委員会も開催し、対策を検討する。それに先立って、6日から試験的にインスペクターをコーナーに配置している。米ネバダ州などではすでに導入済み。人員不足は70歳定年となったレフェリーらを起用して補う。

 ほかにトレーナーらのセコンドに医学講習会の定期開催と出席義務付けも考えられている。健康管理の知識を身につけさせ、特にリングへ入るチーフセコンドの資格を厳格にしようというもの。安河内事務局長は「真剣に、早急に取り組んでいかなければならない問題。協会と連携して強化していきたい」と話している。