<ノア:東京大会>◇25日◇JCBホール◇3300人

 三沢光晴さん(享年46)の最後の対戦相手、斎藤彰俊(年齢非公表)が、GHCヘビー級王座に挑戦すべきか否か苦悩した。前日24日の静岡大会で、同級王者潮崎豪(27)から「(三沢さんが亡くなった)あのリングの上でタッグ王座を防衛されたリベンジをしたい」と、次期挑戦者として指名を受けた。しかし、25日の東京大会の試合前、「(三沢)社長の四十九日が終わるまでは個人の欲とかは出せない」と、挑戦するべきか悩んでいると明かした。小橋、秋山と組んで出場した6人タッグ戦では佐々木、森嶋の合体技「ダブルインパクト」を食らって完敗。無言で控室に消えた。

 三沢さんの最後の試合以降、多いときでボトル2、3本は空ける酒豪が酒を断ち、毎晩、1時間以上、座禅を組んで瞑想(めいそう)を続ける。数日前には三沢さんが夢枕に立ったという。「夢でもうれしかった。社長は優しいから、悩んでる姿を見せたくないんですが…」。三沢さんの四十九日は今月31日。翌8月1日の有明大会ではタッグマッチで潮崎との対戦が組まれた。「対戦して感じるものがあれば…」と、挑戦に含みを持たせた斎藤は、どう動くのか。【塩谷正人】