桜庭和志(41=LAUGHTER7)が「肉体改造新ボディー」で初タイトルを狙う。今日31日開催の「Dynamite!!」(さいたまスーパーアリーナ)の直前公開記者会見が30日、東京・新宿区の新宿ステーションスクエアで行われた。桜庭はスーツに赤いマスク姿だったが、午前中の計量に立ち会った笹原圭一イベントプロデューサーは「桜庭さんの割れた腹筋は初めて見た」と話し、ウエルター級対策は万全の様子。日本格闘技界の顔が、DREAMウエルター級王者ザロムスキー(リトアニア)からベルトを奪い取る。

 気温6度の寒さに震える6000人の観衆を、桜庭が一気に温めた。スーツに赤いマスク姿で登場してざわつかせると、何事もなかったようにマイクを握り「スーツ着用ということを忘れてしまい、向こうで安いのを買ってきました」と、新宿の百貨店街を指さした。桜庭登場の直前に石井慧の会見欠席を知ってがっかりムードだった観客の心を、ステージに呼び戻した。

 93年のプロデビューから数多くの修羅場をくぐってきた。だが、今回は、未知の領域に足を踏み入れた。ミドル級(リミット84キロ)からウエルター級(同76キロ)への転級、しかも初戦でいきなり王座戦。王者ザロムスキーの前に、8キロの減量という新たな“敵”と向き合うことになった。

 そこで、DREAMライト級王者青木から減量法を教わった。「1週間前で80キロを切って最後の4キロはどんと落とす」。助言どおり、計量前日には残り1・5キロにし、この日の計量はリミットで一発クリアした。減量法にかんしては「座禅を組んで目をつむり、何時間もそのままいる。頭の中で何も考えないようにして、体重を落としました」と“桜庭節”でかわしたが、計量で新ボディーを見た笹原EPは「桜庭さんの割れた腹筋は初めて見た」と肉体改造の成果に目を見張った。

 日本の格闘技界を引っ張ってきたが、タイトルとは無縁。ここまでは、記録よりも記憶に残る格闘家だった。普段通りに「明日は頑張ります」とシンプルな言葉で会見を締めた41歳が、10回目の「Dynamite!!」という節目で、新たな挑戦の幕を開ける。【浜本卓也】