東京都稲城市議選でプロボクシング元世界王者の坂田健史氏(31)が24日、初挑戦で当選した。

 元WBA世界フライ級王者の坂田氏が、初挑戦で“タイトル”を獲得した。稲城市議選(定数22)に無所属で臨み、2043票を獲得して2位で当選。事務所で支援者に囲まれて勝利のバンザイ後、「(市議として)第1歩を踏み出すことが出来ます。みんなで勝ち取った勝利です」と目を潤ませた。

 日本人の歴代ボクシング世界王者は60人いるが、政治家への転身は初めて。坂田氏は完全燃焼で7日間を闘い抜いた。「初めてのことだらけで、体力的にも精神的にもきつかった。現役の選手の目標となれる存在になりたいという一心だった」。告示日の17日から3日間はスーツ姿で街頭演説を行ったが、「やっぱり自分らしく」と20日からはジャージー姿に変身。「スポーツによる市の活性化を図りたい」と公約を掲げ、人脈の広さを示すように応援にもタレント片岡鶴太郎、ガッツ石松氏らが駆け付けた。

 現役時代に所属した協栄ジムでは「会長代行」を務めている。今月から専大2部商学部マーケティング学科に入学した。「これからが本当の闘いです」。市議、会長代行、学生と、現役時代同様に厳しい道を歩むことになった。