2本の世界ベルトは「鋼鉄の腹」に巻く!

 WBA世界ミニマム級王者の八重樫東(29=大橋)が10日、WBC世界同級王者・井岡一翔(23=井岡)との国内初の団体王座統一戦(6月20日、大阪)へ向けて静岡・伊東市内での合宿を報道陣に公開した。土居進フィジカルトレーナーの指示で1日2000回、16日まで8日間の合宿中に計1万6000回の腹筋運動をこなす。

 従来より、1日の平均回数で約10倍。約1時間半かけて取り組む八重樫は「1ケタ違う。計量のときに体がどう変わっているか、お楽しみに」と不敵に笑った。ボクシングでは、腹筋の強さがパンチの破壊力に直結するといわれる。腹部を筋肉のよろいで覆えば、ボディーブローを受けた際のダメージも軽減できる。井岡を仕留める一発を磨くと同時に、井岡の得意な攻撃を無力化する、一石二鳥の効果を期待できる。

 さらに今合宿では、疲労の原因とされる乳酸がたまりにくい体質改善にも着手。400メートル走を連続40本、短距離走24本、サンドバッグの30分間ノンストップ連打も連日こなす。所属ジムの大橋秀行会長は6階級制覇王者マニー・パッキャオ(タイ)を例に「12回戦を常にフレッシュな状態で戦える。既に体つき、パンチの威力がスケールアップしている」という。“地獄の伊東キャンプ”を乗り切った先に、栄光が待っている。【山下健二郎】