不覚だった。大関照ノ富士(23=伊勢ケ浜)が関脇栃煌山(28=春日野)に寄り切られ、初黒星を喫した。

 立ち合いで迷いが生じ、右腕をたぐりに行った。「本当は右で張っていこうと思ったんだけど、土俵に上がったらこっちがいいと思って。迷った」。もろ差しを許すと、小手投げを狙うも失敗。深く差され、腰が浮いた。得意の粘り腰も見られず、力なく土俵を割った。

 終盤戦に入り疲労もたまってきた様子で「朝稽古でも、体が動いてない感じがした」と振り返った。優勝争いはトップのままだが、独走態勢にはなれず。取組後にはなぜか座布団が舞うなど、ここまでの強さとの差が浮き彫りになった。