大相撲秋場所で自身2度目、昇進から9場所目で横綱初優勝を飾った鶴竜(30=井筒)が28日、東京・墨田区の井筒部屋で会見し「うれしい気持ちとホッとした気持ちでいっぱいです。体がすごく軽い気がします」と喜びを口にした。

 1人横綱として戦い抜いた秋場所はやはり、重圧がのしかかっていた。「(今まで)先輩横綱が2人いたので、甘えていたのかな。初めて自分で全部を背負って取り終えて、また1つ勉強になったし、一回り強くなれたかもしれない」と振り返った。

 春、夏と2場所続けて休場の原因となった左肩は、途中から痛みが再発していたという。「終わったので言いますが、痛みがありました。(5日目の)佐田の富士(6日目の)隠岐の海戦からちょっと痛みが出た。必死に、何とか一番取れるようにとケアしてきた」と打ち明けた。

 その上で、14日目の稀勢の里戦で見せた2度の変化について「いろいろ言われていますが、受け止めて立つことはちょっとできなかった。でも、何とか勝ちたい、勝たなきゃいけない。思い切って勝負にいった」と言及。周囲からの批判については「(心を)無にして、気にせず行こうと思った。1つ言えるのは、僕は人に認められたくて相撲を取っていない。自分の相撲人生を生きています」と強調した。

 九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)では、休場した白鵬(30=宮城野)、日馬富士(31=伊勢ケ浜)の両横綱も復帰する可能性が高い。「今度は両横綱がいるときに優勝したい」と決意を語った。