来年の大相撲初場所で、年6場所制となった58年以降初土俵(幕下付け出しを除く)で史上3位タイのスピード新入幕が確実な正代(しょうだい、24=時津風)が、知名度のなさに思い悩んだ。大分県別府市で2日に行われた巡業。空揚げ店の前で「お相撲さん、買ってよ」と言われ「自分の名前を知っていたらいいですよ」と応じると「…」。熊本県出身。九州では少しは…という期待があったものの「案の定、知りませんでした」と肩を落とした。

 実は巡業初日の11月29日、幕下力士に胸を出そうとした際「胸を出します、大道」と身内の行司に紹介された。ファンには「青狼」のページに「サインください」と言われたことも。自身の明け荷がほかの部屋に運ばれたこともあった。悩み深い、影の薄さ…。願いは「名前を覚えてほしい」。ただ、今回の冬巡業で、ずっと幕内で稽古し続けるホープは「いいですけど、もう」。持ち味のネガティブさに覆われていた。【今村健人】