故障を抱え万全な状態でない中、奮闘している西前頭6枚目の遠藤(25=追手風)が、55秒の熱戦の末、同15枚目の佐田の富士(31=境川)を寄り切りで下し、2勝目を挙げた。

 差し手争いから、頭をつけ右前まわしを拝み取り。左は佐田の富士に固められ封じられたが、何とか探りながら勝機をうかがった。1度は決められなかった出し投げを再び出し、200キロ近い佐田の富士の巨体を崩し、こん身の力で寄り切った。

 自分でも、いい体勢に持ち込めたことは認識。「せっかく、いい体勢になったので、最後まで攻めきりたいと思った」と目をつぶりながら、支度部屋で熱戦を振り返った。「最後まで相撲を取り切れて良かった」と、言葉の中に安堵(あんど)の気持ちを込めた。残り2番の星次第では、依然として十両陥落の危険もある。そんな星勘定とは関係なく「これ以上、悪くならないように集中して頑張ります」と言葉を選んだ。