貴乃花親方(元横綱)が育てた3人目の関取を目指す、西幕下4枚目の貴源治(19=貴乃花)が、東6枚目の明生(21=立浪)を寄り切りで破り、勝ち越しを決めた。

 勝ち越しをかけた一番にも「落ち着いて相手の動きが見えました。いなされて四つになっても慌てなかったのが良かった」と平常心は失わなかった。「肩の力を抜いて足と手を出すこと」という師匠の教えを「そのままやっただけです。緊張はつきものですが、その中でいかに体を動かせるかが大事です」と、よどみなく答えた。

 明生との一番前の取組では、5戦全勝対決に臨んだ双子の兄・貴公俊が、石橋(高砂)に寄り切りで敗れ優勝は遠のいた。そんな結果にも「勝ってほしかったけど割り切るしかありません。自分は自分の、彼は彼の人生ですから」と私情は、はさまなかった。初の幕下上位で勝ち越しを決め、残る1番にも勝てば、新十両昇進の可能性がある。最後の7番相撲も「全力を出していきます」と気合を込めた。