日体大相撲部で昨年の全日本大学選抜宇和島大会で優勝し、3月に卒業した南友太(22)が26日、都内の同大で会見し、尾車部屋への入門を発表した。

 生後3カ月で、母乳だけで体重10キロを超えた体は、現在は180センチ。体重は「昨日量ったら165キロでした」。幼稚園から小学校まで空手、中学校では柔道をし、神奈川・向の岡工高から相撲を始めたばかり。それでも、大学では2年生からレギュラーを張り、4年生で全日本大学選抜宇和島大会を制した。

 「高校時代は四つ相撲。大学に入って、大相撲につながるように大胆な相撲を取っていこうと、力や立ち合いでの当たりなど、押し1つでやってきた」という。師匠の尾車親方(元大関琴風)も「押しを徹底した相撲の技量を、多くの人に見てもらえるように育てたい」と話した。

 会見は、女手一つで育てた母奈美さん(46)が涙ながらに見守っていた。「(会見は)もう少し、緊張するかなと思っていましたが、試合の方が緊張する」と堂々と言ってのけた南。「嘉風関の押す姿、まわしにこだわらずに前に出る相撲に今もあこがれています」と会見に同席した大学の先輩を持ち上げ? その先輩からは「お金が取れる力士に。土俵に上がったら何かすると注目される力士になってほしい」とエールを送られた。さらに、この日で還暦60歳を迎えた尾車親方にも「僕自身、運が強いとか、験がいいと言われる。親方の節目の日に会見を設けていただいて、大変ありがたい。親方に立派な姿を見せられるよう、頑張っていきたい」と力強く意気込んでいた。

 夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)で新弟子検査を受検する。