既に十両優勝を決めていた大関経験者で西十両12枚目の朝乃山(28=高砂)が、再入幕へ大きな1勝を挙げた。東十両2枚目の北青鵬(21=宮城野)を上手投げで下し、今場所を14勝1敗で終えた。1敗での優勝なら十両1場所通過、来場所での幕内の可能性も十分あるだけに、今後の行方に注目が集まる。

今場所で1年ぶりに再十両を果たした朝乃山は、初日から10連勝を飾った。11日目に大翔鵬(追手風)に敗れて初黒星を喫するも、気持ちを切り替えて白星を積み上げた。14日目に千代の国(九重)を寄り倒して13勝目を挙げ、その後の取組で1差で追っていた金峰山が平幕の剣翔に敗れたために初の十両優勝が決まった。

今場所の相撲について朝乃山は「幕下は1敗すると優勝できないですけど、(十両での)15日間は1敗、2敗しても優勝できると大きく考えてました」と説明。初日から10連勝と順調に白星を積み上げたが、11日目に大翔鵬に敗れて初黒星を喫した。母の石橋佳美さんから「切り替えて、1日一番という気持ちで頑張って」と激励の電話を受けて気持ちを切り替え、その後負けなしの4連勝で締めた。

十両優勝を果たしたことに「無事優勝できましたけど、自分にとっては通過点です」ときっぱりと言った。来場所の再入幕への期待が高まる中で「上がれるか分からないですけど、稽古に精進していきたい」。年始めの場所を公言通りの形で終え、23年の目標を「幕内を目指して、今年中に三役を目指したいです」と力強く宣言した。【平山連】