[ 2014年6月1日8時47分

 紙面から ]先制を許し仲間に激しく不満をぶつけるバンバ(中央)。左はティオテ、右後方はゾコラ<国際親善試合:ボスニア・ヘルツェゴビナ2-1コートジボワール>◇5月30日(日本時間31日)◇米セントルイス

 コートジボワールには付け入る隙が十分ある!

 ボスニア・ヘルツェゴビナと親善試合を行い敗れた。パワープレーではなく、DFラインからパスでつなぐスタイルで戦ったが、主力センターバックを中心にパスミスが続出し、失点につながった。低いパス精度と、チームスタイルのミスマッチを露呈した。

 コートジボワールは、何度もミスを重ねた。前半17分、DFアクパアクプロが相手のクロスを胸で味方GKに返そうとしたが、これが弱く、先制を許した。さらに後半8分、簡単なパスミスでボールを失い、反撃を食らってさらに失点。ミスからピンチを招き、リズムを崩す悪循環に陥った。それでもDFラインからパスをつなごうとするが、状況は変わらない。「エレファンツ」と呼ばれるほどの迫力はなかった。

 チームスタイルとパス精度のギャップが、如実に出た。控えメンバー中心で臨んだとはいえ、センターバックの2人は主力だった。主将マークを巻いたDFバンバが、DFラインで何度もパスミス。体調不良で欠場したK・トゥーレも「チーム全体で取り組まなくてはいけない課題。いいプレーができていない」と認めざるを得ないほど。相手のプレスがかかろうが、スペースがなかろうが、パスで組み立てようとする。アフリカ勢の身体能力を駆使したパワープレーでなく、秩序あるサッカー。ここに、日本の付け入る隙がある。

 ラムシ監督は「私の仕事は、このチームをできるだけ戦える状態に仕上げること。レギュラー組は休ませる必要があった」と予定通りだったことを強調。負けたからといって悲観せず、2週間後の日本戦でスタイルを変えるつもりは毛頭なさそうだ。

 W杯では前線の主力にドログバ、Y・トゥーレ、ジェルビーニョと破壊力抜群の選手が並ぶことが予想される。だからこそ、前線にボールが渡る前に、奪い返す必要がある。ピンチを回避するために、日本の運動量と連係が不可欠だが、アフリカの「巨象」の迫力が、少しずつ薄れてきた。【栗田成芳】