東京・秋葉原のAKB48劇場で27日に開かれる前田敦子(21)AKB48卒業公演の応募倍率が、916・38倍になったことが19日、分かった。定員250に対し、応募は22万9096。2005年(平17)12月、観客7人で始まった同劇場公演の最多応募数になった。また、抽選に漏れたファンのために、当日の劇場入りの際は前田が車両からあいさつをし、公演の様子をフジテレビ系「HEY!HEY!HEY!」で生中継することも発表された。

 あっちゃんの注目度は、別格だった。AKB48劇場の公演での最高倍率は昨年12月の6周年記念公演(約173倍)とされていたが、今回の916倍はそれをはるかに上回った。前田は、観客が7人だった05年12月の公演デビュー以来、AKB48の絶対的エースとして活動し続けた。6年8カ月を経て、卒業公演の応募者数は22万9096。デビュー時と比べて観覧希望者が3万倍以上になった。

 想定外の応募が集まったこともあり、AKB48サイドは、当日午後3時30分ごろから、前田が劇場入りする際に周辺を車両通行の上、ファンにあいさつをすることを発表した。前田から「なんとか直接、ファンのみなさまにあいさつだけでもできないか」という申し出があったという。前田の乗った車両は、AKB48劇場と隣接する田代通りから、JR山手線の高架線下近辺を通って、再び劇場に戻るとみられる。

 また、同公演がテレビで生中継されることも決まった。「HEY!HEY!HEY!緊急2時間スペシャル

 今夜が最後!前田敦子AKB48さよならライブ生中継」と銘打たれた特番で、午後7時から放送。番組前半はAKB48の歴史や過去の名シーン、メンバーたちの前田にまつわるトークなどを紹介。後半は公演の様子を伝える。東京ドーム公演最終日翌日の8月27日。「AKB48の前田敦子」として最後の姿に、日本中の注目が集まりそうだ。

 ◆AKB48劇場の変遷

 東京・秋葉原のドン・キホーテ秋葉原店8階に位置する。05年12月8日の初日公演の観客数は、関係者、取材陣をのぞいて7人。メンバーらは集客のためにビラ配りなどを行い、翌06年2月4日に初めて満員になった。

 当時は8階劇場入り口で入場チケットを先着順で販売していたが、2月以降応募者が増えてスペースが狭くなり、ドン・キホーテの店前に場所を移動。06年の秋から一部公演ではネットなどでの抽選を採用し、08年3月からほぼ全て抽選制に。

 現在の応募倍率は、人気メンバーが出る際などで80~90倍とされる。遠方から来るファンのための「遠方シート」や「女性・小中学生シート」「ファミリー・カップルシート」などの優遇枠もある。