09年ベネチア国際映画祭審査員特別賞の独映画「ソウル・キッチン」(来年1月22日公開)でメガホンを撮ったファティ・アキン監督(37)が19日、初来日会見を行った。

 ベルリン(04年「愛より強く」)、カンヌ(07年「そして、私たちは愛に帰る」)に続くコンペ部門受賞。世界三大映画祭での受賞を最年少36歳で達成した話題監督で、同作は自身のルーツを描いた、いわば郷土映画。地元ハンブルクのレストランを舞台に、多様な人種と料理が織りなす人間ドラマを、多彩な音楽に乗せコミカルに描いたもの。

 アキン監督は「映画の師を亡くした苦しい時期を克服するために作った。心から撮りたいと思ったものを作った」と明かした。シリアスな作品から一転、喜劇に転じた理由をそう語った。また、受賞については「自分でも驚いている。審査員に理由を聞き回ったくらい。度胸を買ったといわれた」とおどけた。