俳優で作家の木下半太原作の人気小説「悪夢のエレベーター」が映画化され、今秋公開される。密室を舞台にしたサスペンスコメディーで累計29万部を売り上げた「悪夢シリーズ」3部作の第1弾。俳優、構成作家としても活躍する堀部圭亮(42)が初メガホンをとった。

 急停止したエレベーター。密室に閉じ込められた男女4人が繰り広げる笑いと恐怖の人間劇だ。そんな原作にほれ込んでの映画化に、堀部は「いい絵が撮れています」。主役に内野聖陽(40)を配し、昨年末に撮了済み。木下も「エレベーターという密室をどう(映像で)料理するのか楽しみ」と期待を寄せる。

 堀部はお笑いから出発し、92年には勝俣州和と、お笑いコンビ、K2を結成。主にテレビで活躍したが、もともとは映画志向だった。「松田優作さんの作品を見て、この人のいる世界でやりたいと思った」。悲願の長編監督に全力投球した。

 ダウンタウン松本人志をはじめ、最近はお笑い芸人の映画監督挑戦が続く。「自分は俳優だと思ってます」と意識はしないが、昨年の松本に続くカンヌ映画祭出品へは「行ければいいですね」と意欲的だった。