<第81回アカデミー賞授賞式>◇22日(日本時間23日)◇米カリフォルニア州ロサンゼルス・コダックシアター
短編アニメ部門で初受賞した加藤久仁生監督(31)は、オスカー像を受け取ると「イッツ
ソー
ヘビー(とても重い)」と笑顔で第一声を発した。慣れないタキシードに慣れない英語でのスピーチ。「サンキューベリーマッチ」「サンキューマイサポーター」「サンキューアカデミー」など「サンキュー」を連発した。そして所属する映像制作会社「ロボット」を、80年代のロックバンドのヒット曲にかけて「ドウモアリガトウ。ミスター・ロボット」としっかりオチを作って、会場の笑いを誘った。
授賞式後の会見では「英語がしゃべれないので、シンプルに感謝を伝えたかった。なんとなく言えたかな…」。短い言葉に喜びを凝縮させた。
「つみきのいえ」は約12分の作品。海面の上昇に伴い、上へ上へ建て増して行った家に住む老人と家族の思い出を描く。主人公は「自分の祖父を思い浮かべながら描いた」という。
鉛筆での手書きの質感にこだわりながら、総勢16人ほどで8カ月間かけて作り上げた。ノミネート時には「僕の作品でこんなに人がかかわったのは初めて。みんなスタジオにこもって頑張ってくれた。スタッフたちの精神的なケアなど、作品の出来だけでなく、監督として本当に勉強になった映画」と話していた。
鹿児島の小学生時代からマンガを描きはじめ、宮崎駿作品を見て育った。大学3年時に、本格的にアニメーションを志してから10年。31歳で、あこがれの宮崎監督に続くアカデミー賞を手にした。作品はすでにDVD発売されているが、ロボットによると、劇場上映する計画もあるという。これでちょうど国内外20冠となった加藤監督は「早く日本に帰って、みんなと喜びを分かち合いたいと思います」と笑顔で語った。




