プロ野球東北楽天の野村克也監督(74)が、ディズニー映画の宣伝戦略でさい配をふるうことが30日、分かった。米アニメ映画「カールじいさんの空飛ぶ家」(12月5日公開)の配給元ウォルト・ディズニー・ジャパンから依頼を受け、同映画の「プロモーション監督」を務める。今後は宣伝スタッフと話し合いながら戦略を練り上げていく。今年は楽天との契約最終年で、去就が注目される知将はまずは今秋、“ID宣伝”で映画界に新風を吹き込む意向だ。

 同映画は、78歳の老人が亡き妻との夢を果たそうと冒険の旅に出る姿を描く感動作。老人は家に無数の風船を付け、家ごと空高く飛び上がって旅をする。ウォルト・ディズニー・ジャパンでは、人間はいくつになっても頑張れるという作品テーマに沿い、74歳で監督を務める野村監督に協力を依頼した。

 同監督は映画を見て「人生死ぬまで冒険、チャレンジだと思った。常に空に向かっているような思いは大切。心打たれた。主人公は年代が一緒だし、妻の夢を果たそうという生き方も自分につながる」と共感を覚えたという。

 さらに少年時代に思い描いた夢も思い起こした。「実は子供のころ、映画俳優になりたかったんです」。同監督は母子家庭に育ち、経済的に恵まれていなかった。少年時代、お金もないのに映画館前をうろついていたら、館主の好意で入場させてくれたことが何度もあったという。「映画俳優にあこがれていました」。それだけに映画関係の仕事の依頼は何よりもうれしかった。

 宣伝活動の準備はすでに進行中だ。敬老の日にあたる9月21日にイベントを開催する予定。さらに11月下旬にもイベントを開き、同監督ならではというサプライズを用意するという。